夏目漱石全集 4
紫の精とも呼ばれる美しい女性藤尾の凄絶な破局を描く「虞美人草」。足尾銅山での一青年の体験を綴る、漱石文学中の異色作「坑夫」。
【解説: 吉田精一 】
我執と虚栄心のみ強く、他人を愛することのできない紫色の似合う女・藤尾の、凄惨な愛と破綻の姿を、絢爛たる文章とドラマティックな構成で描いて世評高い『虞美人草』。恋愛事件をひき起こして家を出奔した一青年の、周旋屋に誘われるまま入った足尾銅山での地獄の体験をつづった異色作『坑夫』。漱石文学において異彩をはなつ新聞連載第一作・第二作を併収。
虞美人草
坑夫
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