美食倶楽部
表題作をはじめ耽美と猟奇、幻想と狂気……官能的な文体によるミステリアスなストーリーの数々。大正期谷崎文学の初の文庫化。種村季弘編で贈る。
「善に対して真剣になれず、美しき悪業に対してのみ真剣になれるような、奇態な性癖を己に生みつけたのは誰なのだ」―対象の善悪を問わず美しいものへの惑溺に情熱を燃やし尽くした谷崎。大正期の谷崎文学に注目してきた編者種村氏が、表題作ほか7篇で再構成した珠玉のアンソロジー。いま新しく、谷崎文学の再発見。
病蓐の幻想
ハッサン・カンの妖術
小さな王国
白昼鬼語
美食倶楽部
或る調書の一節―対話
友田と松永の話
青塚氏の話
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