情痴小説の研究
徳田秋声から渡辺淳一まで三十三作のダメ男小説に「お前、それはないだろ」と突っ込みつつ、己が姿をそこに見てなごむ風変わりな読書案内。
- シリーズ:ちくま文庫
- 798円(税込)
- Cコード:0195
- 整理番号:き-13-1
- 刊行日:
2001/10/10
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:文庫判
- ページ数:304
- ISBN:4-480-03667-9
- JANコード:9784480036674
- 在庫 ×
情痴小説とは、ダメ男小説だ。主人公の特徴は主体性に欠けること、優柔不断であること、反省癖があること、自己弁護がうまいこと、何事にも熱中しないこと。そんな中年男の浮気話に嫌気がさしながらも心がなごんだりするのは、それが自分の胸の裡を映す鏡だからかもしれない。徳田秋声から渡辺淳一まで、33の作品を読みこむうちに見えてくるものは―。
情痴小説とは何か
身勝手な男の本音―徳田秋声『仮装人物』
泣き虫男の独善―田山花袋『蒲団』
陰気な追跡者の恋―近松秋江「黒髪」連作
若い女への執着―高見順『生命の樹』
最後の恋の行方―石川達三『四十八歳の抵抗』
女好きの色嫌い―北原武夫『情人』他
憎々しい男の造形―丹羽文雄『献身』他
不思議な男女たち―武田麟太郎『銀座八丁』
わがままなヒロインたち―舟橋聖一『蜜蜂』〔ほか〕
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