戦後の思想空間

大澤 真幸

いま戦後思想を問うことの意味はどこにあるのか。戦前の「近代の超克」論に論及し、現代が自由な社会であることの条件を考える気鋭の社会学者による白熱の講義。

戦後の思想空間
  • シリーズ:ちくま新書
  • 777円(税込)
  • Cコード:0210
  • 整理番号:166
  • 刊行日: 1998/07/16
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:256
  • ISBN:4-480-05766-8
  • JANコード:9784480057662
大澤 真幸
大澤 真幸

オオサワ マサチ

一九五八年〜長野県生まれ。社会学者。理論社会学専攻。元京都大学教授。八八年、『行為の代数学』(青土社)で注目され、以後、現代社会および日本社会について活発な評論活動を行う。著書に『身体の比較社会学』I・II(勁草書房)、『戦後の思想空間』(ちくま新書)、『文明の内なる衝突』(NHKブックス)、『帝国的ナショナリズム』(青土社)、『ナショナリズムの由来』(講談社)、『不可能性の時代』(岩波新書)など。二〇一〇年、個人誌『O』も刊行。

この本の内容

いま戦後思想を問うことの意味はどこにあるのか。戦後民主主義を潮流とする戦後知識人の思想は、アメリカを中心とする世界システムのマージナルな部分として位置づけられた戦後空間のなかで醸成された。だが、70年代を転回点にして、アメリカの善意を自明の前提とした構造がもはやリアリティを失いはじめているのは明らかだ。西田幾多郎、田辺元の京都学派や和辻哲郎などによって唱導された戦前の「近代の超克」論を検証し、ポストモダンから「戦後・後」の思想へと転換する戦後の思想空間の変容を、資本の世界システムとの関連において鋭く読み解くスリリングな戦後思想論講義。

この本の目次

第1章 戦後思想の現在性(なぜ「戦後」を語るのか
戦争と敗戦
戦後知識人とアメリカ
1970年代の転換点)
第2章 「近代の超克」とポストモダン(脆弱な天皇
資本主義とその挫折
「近代の超克」論
天皇制ファシズム)
第3章 戦後・後の思想(記憶の不在
戦後・後思想概観
消費社会シニシズム
ガスについて
自由の条件の探求に向けて)

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