日本の「哲学」を読み解く
日本に本当に独創的な哲学はあるのか? 「無」の哲学を生みだした西田幾多郎・和辻哲郎・九鬼周造・三木清らをわかりやすく解説し、現代をいきぬく知恵を探る。
- シリーズ:ちくま新書
- 714円(税込)
- Cコード:0210
- 整理番号:269
- 刊行日:
2000/11/20
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:新書判
- ページ数:240
- ISBN:4-480-05869-9
- JANコード:9784480058690
- 在庫 ×
はたして、日本に独創的な哲学など存在したのであろうか。明治以降、西洋思想の輸入に明け暮れていた日本。しかし世界恐慌を機に、模範としていた西洋近代の諸理念が崩れていった一九三〇年代、日本でも初めて独自の哲学が生み出されていく。それは、いかなる形而上学原理をも前提としない「無」の哲学であった。そこには、すべての価値観が色あせた時代にあっても、なお「生きた力」となりうるものが潜んでいるのではなかろうか。西田幾多郎・和辻哲郎・九鬼周造・三木清ら、日本の哲学山脈を形づくった四人の思想をわかりやすく解説し、現代を生きぬく知恵を探る。
第1章 西田幾多郎―「無」の哲学の創成(最も確実な知識を求めて
創造的自己としての「自覚」
意識の根底にある「無の場所」 ほか)
第2章 和辻哲郎―「間柄」の底にある「空」の運動(美と倫理の間
人間存在と「空」
否定の運動 ほか)
第3章 九鬼周造―「無」としての「偶然性」(出会いと別れ
「いき」の倫理学
「偶然性」への問い ほか)
第4章 三木清―「虚無」からの形成(「中間者」としての人間
「闇」としての「基礎経験」
歴史を作りだすもの ほか)
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