保守思想のための39章
日本社会は緩慢な自死の過程にある。それはなぜか、それにどうのぞめばよいのか。美徳と良識にもとづいて公共空間を再建するため、保守思想の真意をさぐる。
- シリーズ:ちくま新書
- 756円(税込)
- Cコード:0231
- 整理番号:366
- 刊行日:
2002/09/19
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:新書判
- ページ数:240
- ISBN:4-480-05966-0
- JANコード:9784480059666
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バブル崩壊と冷戦の終焉から十年すぎた。しかし今なお、経済の立て直しから有事への対処などに至るまで、依然として議論だけが続いている。しかも、その空疎な対立と不毛な論争の蔭で、学級崩壊、官民を問わない不正行為の続出、各種犯罪の増加など、日常の社会そのものは緩慢な自死の過程をたどりつつある。そして、資本主義の挫折と帝国主義の再来、それが世界の大状況となっている。この危機に、私たちはどう臨めばよいのだろうか。単なる郷愁やかたくなな復古ではなく、美徳と良識にもとづいて公共空間を再建するため保守思想の真髄をさぐる。
地球の危機―帝国主義が蔓延する
情報の空虚―ITが空回りする
「戦後」の完成―アプレゲールの末路
感情の優位―合理の前提はどこにあるのか
葛藤の遍在―感性は錯綜している
平衡の必要―健全な精神は精神の曲芸を要求する
幻覚の不可避―精神のはたらきはすべて仮想である
持続の意義―リアリティの根拠を求めて
成熟の希求―常識という「死者の書」
愛着の必然―手段へのこだわりが生をゆたかにする〔ほか〕
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