「不自由」論 ─「何でも自己決定」の限界
「人間は自由だ」という考えが暴走したとき、ナチズムやマイノリティ問題が生まれる――。逆説に満ちたこの問題を解きほぐし、21世紀のあるべき倫理を探究する。
グローバル化の進展につれて、何かにつけて「自己決定」が求められるようになってきた。その背景には、人間は「自由な主体」であるという考え方がある。しかし人間は、すべてを「主体的」に決められるわけではない。実際、「自由な主体」同士の合意によって社会がつくられるという西欧近代の考えは、ほころび始めてきた。こうした「ポスト・モダン」状況にあって我々は、どう振る舞えばいいのか?そもそも「自由な主体」という人間観は、どう形成されたのか?こうした問いを深く追究した本書は、近代社会の前提を根底から問い直す、新しい思想の試みだ。
第1章 「人間は自由だ」という虚構(現代思想における「人間」
よき人間と悪しき人間 ほか)
第2章 こうして人間は作られた(人間的コミュニケーションの習得
コミュニケーションの「普遍性」と「特殊性」 ほか)
第3章 教育の「自由」の不自由(「人間性」教育としての「生きる力」論
「ゆとり」から「主体性」は生まれるか? ほか)
第4章 「気短な人間」はやめよう(主流派としての「リベラリズム」
挟撃される普遍主義 ほか)
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