1968年
フェミニズム、核家族化、自分さがし、地方の喪失などに刻印された現代社会は「1968年」によって生まれた。戦後日本の分岐点となった激しい一年の正体に迫る。
先進国に同時多発的に起こった多様な社会運動は、日本社会を混乱の渦に巻き込んだ。その結果生まれたウーマン・リブ(→フェミニズム→男女共同参画)、核家族化(=儒教道徳の残滓の一掃)、若者のモラトリアム化(→「自分さがし」という迷路)、地方の喪失(=郊外の出現)、市民の誕生と崩壊、「在日」との遭遇などの現象は相互に関連しながら、現代社会の大きな流れを形作っている。前史としての“60年安保”から、ベ平連や全共闘運動を経て三島事件と連合赤軍事件に終わるまでの“激しい時代”を、新たに発掘した事実を交えて描く現代史の試み。
第1章 先進国の同時多発的現象(現代は六八年に規定された時代である
資本主義の脱構築的な力に依拠する六八年)
第2章 無党派市民運動と学生革命(ソ連の「平和共存」路線とベ平連
米軍脱走兵を援ける三島由紀夫の「友人」 ほか)
第3章 「華青闘告発」とはなにか(マイノリティーによる対抗運動の登場
マイノリティー運動がかかえる難問)
第4章 ヴァーチャルな世界のリアルな誕生(右翼と左翼の奇妙なコラボレーション―太田竜から村上春樹へ
偽史的想像力のもう一つの源流―吉本隆明と中野重治)
第5章 内ゲバ/連合赤軍事件/革命(リンクする華青闘告発と内ゲバの「論理」
レーニン主義の廃墟とグラムシ主義の廃墟)
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