父と子の思想 ─日本の近代を読み解く
葛藤が照らし出すもの
父子関係から近代日本を捉えたとき、何が見えてくるのであろうか。代表的な文学作品を手がかりにして、いまだ消えることのない思想的問題が明らかにされる。
父と子(特に息子)の間には、母とのそれにはない、独特な感情の交錯がある。しかし、そこにはまた、私的な関係におさまらないものも胚胎されているのではないか。本書は、近代日本における父子問題の典型を、夏目漱石、中野重治、中上健次の作品から浮きあがらせた前半部と、それらを思想的にとらえなおしたとき、何が見えてくるのかを論じた後半部からなる。父子関係がわれわれにとって持つ意味とは何か。読者は近代を貫く大きな問題系へと引き寄せられることだろう。
なぜ父子を問題にするのか
第1部 文学に見る父子(通じあえない父子
拮抗する父子
「父殺し」の試み)
第2部 父子問題の射程とその行方(知識人をめぐって
家・田舎・辺境
回帰の構造
父子問題の現況について)
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