神も仏も大好きな日本人
なぜ「無宗教です」
と言いたがるのか?
日本人はなぜ、無宗教と思いこんでいるのか? 神道と仏教がどのように融合し、分離されたか、その歴史をたどることで、日本人の隠された宗教観をあぶり出す。
阿修羅像は、なぜ博物館にあったのか?伊勢神宮に、仏教の儀式を行う場所があった?天皇家は、代々仏教を信じていた?…近代以前には、日本人の生活に溶け込み、密接に結びついていた神道と仏教は、「神仏分離」により無理やり引きはがされてしまった。このことは、どんなダメージをもたらし、日本人の信仰にどんな影響を与えたのか。仏教や曼荼羅、神社、寺の姿を丹念に見ることで、その実態を解き明かしていく。
第1章 阿修羅像が愛される理由(阿修羅像の悲劇
興福寺を廃寺に追い込んだ出来事)
第2章 神社こそが浄土なのだ(神と仏とが溶け合う世界
かくして地上に浄土があらわれた)
第3章 密教の示した圧倒的な魅力(なぜ仏像は名前を変えるのか
席捲する密教の信仰
国家も宇宙も支配する密教の力)
第4章 伊勢神宮の正体を見きわめる(山を御神体とする神社
伊勢神宮は古代そのままか)
第5章 近代が創造した伝統宗教(伝統の危うさ
宗教への愛はますます深まっていく)
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