マニエリスム芸術論
カトリック的世界像と封建体制の崩壊により、観念の転換を迫られた一六世紀。不穏な時代のイメージの創造と享受の意味をさぐる刺激的芸術論。
マニエリスムとは何か。それは危機の時代の文化である。世界調和と秩序の理念が支配した15世紀は、黄金のルネサンスを生み出した。だが、その根本を支えてきたキリスト教的世界像が崩れ、古き中世が解体する16世紀は、秩序と均衡の美学を喪失する。不安と葛藤と矛盾の中で16世紀人は「危機の芸術様式」を創造する。古典主義的価値をもつ美術史により退廃と衰退のレッテルを貼られてきたこの時代の芸術の創造に光を当て、現代におけるマニエリスムの復権を試みた先駆的な書。
序章 寓意の勝利
第1章 「愛」の寓意について(新プラトン主義の愛の理論
新プラトン主義的「愛」の二つの形式
ブロンズィーノの「愛の寓意」
「愛」を滅ぼす「時」
「時」と「永遠」)
第2章 プシコマキア―内面の葛藤(美徳と悪徳のたたかい
十六世紀の人体比例論
囚われた体
歪んだ鏡
ずれた消失点)
第3章 マニエリストの宇宙(火と水と土と空気の織りなす世界
ミクロコスモス
大地と空の夢想
水と火の想像力)
終章 万物の変貌
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
(ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
歳
公開可 公開不可