翻訳の思想
幕末・明治以降多く作られていった翻訳語。その根底に潜む異文化に対する理解と誤解を、「自然」という語に即して考える。
- シリーズ:ちくま学芸文庫
- 999円(税込)
- Cコード:0120
- 整理番号:ヤ-5-1
- 刊行日:
1995/10/05
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:文庫判
- ISBN:4-480-08232-8
- JANコード:9784480082329
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幕末から明治にかけて、西欧文化を受容するために数多くの翻訳語が生みだされた。当時、焦眉の急であった異言語の翻訳をめぐる問題は、とりもなおさず重大な思想上の問題をはらんでいた。たとえば、natureの翻訳語として定着した「自然」は、本当に原語と等しい意味を担いえたのだろうか。その間の意味のずれこそ、日本人の西欧文化に対する「理解」と「誤解」を具体的に指し示しているのではないか。異文化との接触の場所である「翻訳」をめぐる原理的な思考を提示する。
第1章 二つの「自然」をめぐる論争
第2章 辞書、事典に見る「自然」とnature
第3章 翻訳語「自然」が生み出した誤解
第4章 「自然主義」の「自然」とは何か
第5章 自然科学者における「自然」
第6章 丸山真男「自然から作為へ」の「自然」
第7章 「天」とnature
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