『クオーレ』の時代
「母をたずねて三千里」などの挿話で親しまれてきたあの名作の背景に、こんな現実が……。イタリアの国家と少国民誕生の歴史。
- シリーズ:ちくま学芸文庫
- 998円(税込)
- Cコード:0122
- 整理番号:フ-14-1
- 刊行日:
1998/09/10
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:文庫判
- ページ数:288
- ISBN:4-480-08445-2
- JANコード:9784480084453
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1886年、北イタリアの本屋に一冊の本が並んだ。その本とは、デ・アミーチス『クオーレ』である。『クオーレ』はその年のうちに数十版を重ね、20世紀初めまでにミリオン・セラーとなった。『クオーレ』にこめられた愛国心・犠牲的精神の育成、学校・軍隊という国家装置への帰属意識の涵養は、19世紀イタリアの国民形成における―先進諸国から遅れをとっていたがゆえの―至上課題であった。『クオーレ』の各挿話のなかに映し出されたイタリア社会の現実(捨て子や煙突掃除の少年など)を生き生きと描写しながらたどる、国民形成の社会史。
第1章 田舎王国サルデーニャのイタリア統一
第2章 『クオーレ』時代のトリーノ
第3章 「第二の軍隊」としての小学校
第4章 教育する軍隊、忌避される徴兵
第5章 武器としての小学校教科書
第6章 イタリア語はイタリアの国語になったのか
第7章 健全な精神は健全な身体に宿る
第8章 捨て子を許す社会、許されない社会
第9章 売られ、働かされ、管理される子供たち
第10章 時代を映す『クオーレ』
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