神々の変貌
古代に固有な表現構造が崩壊したとき、中世独自の神々が、荒ぶる神、利生の神などに姿をかえて出現する。構造/歴史分析の名著。
- シリーズ:ちくま学芸文庫
- 1,155円(税込)
- Cコード:0121
- 整理番号:サ-12-1
- 刊行日:
2000/03/08
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:文庫判
- ページ数:288
- ISBN:4-480-08546-7
- JANコード:9784480085467
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古代の神々に固有な表現構造が崩壊したとき、中世特有の神々が姿を現す。「根源‐始源」としての神は、記紀神話の枠外すなわち民間信仰圏に出現し、「荒ぶる神」、「利生の神」となって中世に息づいた。この「秩序を覆す神」と「秩序を打ち立てる神」の相克によって中世特異の世界形成が表現され、それがほかならぬ社寺縁起のなかにくっきりと刻印されたのである。神々は、社寺信仰圏や国家信仰圏にとりこまれる程度や度合によってその相貌を変えてゆくが、最後には人との間の境界が揺らぎ出し、その中世的生を終えることになる。ひとつの時代を構造においてとらえ、その構造自身の変動の契機をも視野に入れて論じる、力作の中世論考。
序説 神々の世界における古代
第1章 神々における中世の胎動
第2章 天神信仰における国家と民間
第3章 中世における社寺縁起の展開
第4章 歴史叙述における神々と縁起
第5章 中世における神々の黄昏
結語 社寺縁起をめぐる若干の問題
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