鏡と皮膚
「神話」という西洋美術のモチーフをめぐり、芸術の認識論的隠喩として二つの表層を論じる新しい身体論・美学。鷲田清一氏との対談収録。
深みに「真実」を求めてはならない。なぜなら「生はいかなる深さも要求しない。その逆である」(ヴァレリー)からである。オルフェウスがエウリディケーと見つめ合った瞳に、アテナの盾を飾ったメドゥーサの首に、マルシュアスの剥がされた皮に、キリストの血と汗を拭ったヴェロニカの布に―神話の根拠を古今の画家たちの作品からたどり、鏡と皮膚の織りなす華麗かつ官能的な物語を読み解く。美と醜、表層と深層、外面と内面、仮象と現実という二元論を失効させるまったく新しい芸術論。鷲田清一との対談「表層のエロス」収録。
序 表層のバロック的遁走
1 オルフェウスの鏡
2 ナルキッソスの変幻
3 メドゥーサの首
間奏 可視性の謎―ベラスケス“侍女たち”をめぐって
4 マルシュアスの皮剥ぎ
5 ヴェロニカの布
6 真理のヴェール
結び 皮膚論的な想像力のために
対談 表層のエロス―皮膚論的想像力に向けて
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