新編 悪場所の発想
独自の宇宙を形成した悪場所にはどのような想像力が満ちていたか。多様な作品と空間を往還しつつ、伝承的想像力の論理を捉える。
- シリーズ:ちくま学芸文庫
- 1,260円(税込)
- Cコード:0121
- 整理番号:ヒ-6-1
- 刊行日:
2002/12/10
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:文庫判
- ページ数:320
- ISBN:4-480-08733-8
- JANコード:9784480087331
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江戸時代、定住的な生活空間の外に囲い込まれて形成された、遊郭と芝居町という「悪場所」。そこには、中世以前の遊行漂泊民の呪術的・宗教的精神が脈々と受け継がれていた。定住民に忌避されつつ同時に憧憬の対象でもあった、その独自の空間には、どのような想像力が満ちていたのか。漂泊と旅を日常とする精神を継承した芭蕉、土俗・伝承と近世的創造行為が繋がれた西鶴、「悪」と「美」を指向する近松、歌舞伎など多様な作品と空間を往還しつつ、伝承的想像力の論理を鮮やかに捉えた画期的論文集。
道行の時空
遊行的なるもの
遍路拒斥すべし
現代流民考
遊行の時空―遊行民・連歌師・芭蕉
伝承の創造的回復―西鶴諸国はなし・笛吹川・吹越の城
負の呪縛から常陸坊海尊・かさぶた式部考
痴の弁慶
土俗・狂気・ユーモア
悪場所論おぼえがき
悪場所の秘儀 虚構の性
女形、その虚構の性の美
なり瓢風に揺らるゝ
まがひもの 近松門左衛門
幽霊の変貌 東海道四谷怪談の方法
幕末転形期の芸術 絵金の芝居絵
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