初版 金枝篇 (下)
なぜ祭司は前任者を殺さねばならないのか? そして、殺す前になぜ〈黄金の枝〉を折り取るのか? 事例の博搜の末、探索行は謎の核心に迫る。
著者は二つの問いを立てた。「第一に、なぜ祭司は前任者を殺さなければならないのか?そして第二、なぜ殺す前に、“黄金の枝”を折り取らなければならないのか?」森の聖なる王、樹木崇拝、王と祭司のタブー、王殺し、スケープゴート、外在魂…大きな迂回とおびただしい事例の枚挙を経て、探索行は謎の核心に迫る。答えはある意味であっけないが、モティーフは素朴ではなかった。ロバートソン・スミスのセム族宗教史に多くを負いながら、それと微妙な距離をとると同時に、ルナンへの傾倒を韜晦してやまないフレイザー。本書を手の込んだ文化相対主義的キリスト教起源史と読むこともできる。さて、再び、「金枝」とは何か?初版完訳、全二巻完結。
第3章 神殺し(承前)(動物としての穀物霊
神を食すること
神聖な動物を殺すこと
害悪の転移
害悪の追放 ほか)
第4章 金枝(天と地の間
バルドル
民話における外在の魂
習俗における外在の魂
結び)
補遺 初収穫の奉納
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