聖なるものと〈永遠回帰〉 バタイユ・ブランショ・デリダから発
キリスト教的、プラトン主義的真理の体制による「宗教」が死んだ今、「聖なるもの」の根源を可能な限り問い直す哲学論考。書下し文庫オリジナル。
- シリーズ:ちくま学芸文庫
- 1,260円(税込)
- Cコード:0110
- 整理番号:ユ-3-1
- 刊行日:
2004/03/10
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:文庫判
- ページ数:304
- ISBN:4-480-08819-9
- JANコード:9784480088192
- 在庫 ×
「神は死んだ」。真理の経験としての“宗教”の無効は宣告された。だが、人間は聖なるものの経験を反復する。贈与、サクリファイス、消尽、パッション的愛という出来事の経験は、主体を超えた強い力が通り過ぎた痕跡として生きられるのであり、現前性というかたちで生きられる可能性をいつも除外する仕方でしか経験されないなにかを秘めている。こうした非知は、反復的・永遠回帰的にしか、そういう強烈さとしては生きられないだろう。本書は、バタイユ、ブランショ、デリダの思想から発し、系譜学的な眼差しによって、非知という異質な他者の経験を、独自の言葉で精緻に開示する。この眼差しは、宗教的なものを継承する文学・芸術の解明にまで及ぶ。書き下ろし力作評論。
1章 死ぬことの経験
2章 宗教的なもの、エロティシズム
3章 供犠=祝祭の“意味”―純粋な贈与というアポリア
4章 聖なるものの経験、愛の経験、起源なき反復
5章 “同一なものの反復”というイリュージョン
6章 祝祭の“祭儀”化、侵犯行為の激しさ、革命的瞬間
7章 文学・芸術の経験と“真実”
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