物質と記憶
脳もまたイマージュである――
心身問題の画期的展開
観念論と実在論の狭間でイマージュへと焦点があてられる。心脳問題への関心の中で、今日さらに重要性が高まる、フランス現象学の先駆的著書。
「純粋知覚から記憶へと移行することで、われわれは決定的な仕方で物質を離れ、精神へと向かう」―本書において著者は、観念論・実在論をともに極論としてしりぞけ、事物でもなく表象でもない、中間的なものとして「イマージュ」という概念を提唱する。そして、精神と物質との交差点として、記憶・想起の検証へと向かう。デカルト以来の近代哲学最大のテーマ「心身問題」に、失語症研究など当時最先端の科学的知見を動員しながら、緻密な論証で新しい“二元論”を展開する。今日、心脳問題への関心の中で、その重要性がいっそう、高まる主著。
第1章 表象に向けてのイマージュの選択について―身体の役割(現実的作用と可能的作用
表象 ほか)
第2章 イマージュの再認について―記憶と脳(記憶の二つの形式
運動と想起 ほか)
第3章 イマージュの残存について―記憶と精神(純粋想起
現在は何に存するか ほか)
第4章 イマージュの境界画定と固定について―知覚と物質、魂と身体(二元論の問題
従うべき方法 ほか)
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