敗者の戦後
普遍的「戦後」論
ナポレオン戦争のフランス、第一次大戦のドイツの戦後を日本の場合と比較し、「戦後」の普遍化をめざす文明史的試み。
【解説: 長谷川三千子 】
- シリーズ:ちくま学芸文庫
- 1,470円(税込)
- Cコード:0120
- 整理番号:イ-34-1
- 刊行日:
2007/06/06
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:文庫判
- ページ数:496
- ISBN:978-4-480-09067-6
- JANコード:9784480090676
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戦争は、一応の戦後処理が終わった後にも、その後の歴史に大きな、かつ持続的な影響を与えずにはおかない。しかも敗者の場合には、しばしば〈勝者=正義、敗者=悪〉という勝者による事後の正当化が加わるために、「戦後」の克服はいっそう難しい。私たちがまさに「戦犯裁判」や「靖国問題」などで体験しつつあるように、過去(=戦後)が現在を支配し続けているのである。ナポレオン戦争の敗者フランス、第一次大戦の敗者ドイツのそれぞれの戦後を、日本の場合と比較し、矛盾と混乱に満ちた「戦後」という特殊な時代を整除し「普遍化」する文明史の画期的な試み。
プロローグ―戦後を評価する基準
第1部 ナポレオン戦争とその敗者フランスの戦後(ナポレオン戦争の新しさ
戦後処理の貴族的伝統
正統性の不在
堕落の開始=十九世紀)
第2部 第一次世界大戦とその敗者ドイツの戦後(大衆の欲した戦争
国家総力戦の破局
史上最悪の戦後?
ワイマール版・戦後の克服)
第3部 大東亜戦争とその敗者日本の戦後(正戦論の陥穽
日本の近代戦争の本質
共存か対決か
真珠湾とポツダムの間
第三の戦後=思想改造
勝者のジレンマと勝敗の収支決算)
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