和算の歴史
関孝和かニュートンか…
関孝和や建部賢弘らのすごさと弱点とは。そして和算がたどった歴史とは。和算研究の第一人者による簡潔にして充実の入門書。
【解説: 鈴木武雄 】
関孝和の円理はニュートンの微分学に相当した?いや、和算はもうすでに顧みる必要などはない!和算のイメージが大きく分かれるのは、学問的にきちんとした入門書が少ないからである。タテ書きの文書を読み解き、内容を数学的に理解できる研究者は限られる。本書は、膨大な和算資料を博捜して斯界第一人者となった著者の力篇。なじみのうすい和算表現をわかりやすく書き直し、その特長と弱点を明らかにしつつ発展の歴史をたどった入門和算史。和算家の生活、地位、算法書の出版部数にまで話題はおよび興味深い。文庫オリジナルの索引は懇切で和算小事典としても使用可能。
序説
毛利重能の『割算書』―誤った学説
吉田光由の『塵劫記』―『塵劫記』の性格
関孝和
円理の発見者・建部賢弘
松永良弼と久留島義太―吉宗、暦学を奨励す/良弼と義太の交遊
山路主住―循環小数の研究/『絵本工夫之錦』の出版
安島直円と藤田貞資―名人の名人/安島の対数表/幾何図形の研究
本多利明と会田安明―音羽先生/最上国の最上流/その後の最上流
日下誠と内田五観―日下門下の秀才
円理の完成者・和田寧
田中由真と鎌田俊清
諸流派
和算の性格
暦算書の出版
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