日本語と日本語論
<ことば>と<こころ>
認知言語学の第一人者が洞察する、日本語の本質。既存の日本語論のあり方を整理し、言語類型論の立場から再検討する。
【解説: 野村益寛 】
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」という『雪国』の冒頭を、ある訳者は“The train came out of the long tunnel into the snow country.”と訳した。英語表現では汽車が焦点となるが、私たちは描かれざる主人公をイメージする。ここで「主客合体」の状況が起きるのだ。本書では、さまざまな日本語話者好みの表現を取りあげ、その背後にある「こころ」の働きに目を向ける。主観性や主語の省略現象、複数表現、「モノ」「トコロ」を軸とした事態把握などから、「日本語らしさ」とは何かが解き明かされる。認知言語学の第一人者が洞察する、日本語の本質。
第1部 日本語と日本語論(外から見た日本語・内から見た日本語
「談話」としての日本語「人」論と日本語「人」論批判
言語類型論と言語の「類型」 ほか)
第2部 「モノ」と「トコロ」―その対立と反転(「有界的」な「モノ」と「無界的」な「トコロ」
「無界性」と「部分」・「未完了」
「トコロ」の二面性と「身体性」 ほか)
第3部 日本語の主観性と主語の省略(ラガナ氏の戸惑い
主語の「省略」ということ
主語の「省略」と美意識 ほか)
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