山水思想 

松岡 正剛

日本的方法の発見

日本の水墨画の道程を中国山水から近代日本画まで丹念に追い、そこから「負の山水」という独自の方法を見出した画期的な日本文化論。
【解説: 内藤廣 】

山水思想 
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,575円(税込)
  • Cコード:0170
  • 整理番号:マ-25-3
  • 刊行日: 2008/04/09
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:512
  • ISBN:978-4-480-09142-0
  • JANコード:9784480091420
松岡 正剛
松岡 正剛

マツオカ セイゴウ

1944年、京都府生まれ。編集工学研究所所長。東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授を経て、イシス編集学校校長。独自の視点による情報文化論、日本文化論に定評がある。おもな著作に『多読術』『日本数寄』『フラジャイル』『山水思想』(筑摩書房)、『誰も知らない世界と日本のまちがい』『17歳のための世界と日本の見方』『連塾──方法日本』(春秋社)、『知の編集術』(講談社)、『白川静』(D凡社)等。インターネット上で壮大なブックナビゲーション「千夜千冊」を展開中。

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この本の内容

日本の水墨画は中国から渡来後、いつ独自の画風を備えたか。我々は画のどこに日本的なものを見出すか。そもそも日本画とは何か。著者の叔父は日本画家、横山操と親交があった。その縁を契機に著者は中世から現代までの日本画の道程をたどる。日本庭園にみる、水を用いずに水の流れを想像させる枯山水の手法を「負の山水」と名づけ、その手法が展開される水墨山水画に日本文化独自の「方法」を見出す。本書では雪舟『四季山水図巻』や、等伯『松林図』などの有名な作品を多数取り上げ、それら画人について解説を付す。画期的な日本文化論にして、精緻な絵画論考。

この本の目次

日本画の将来―独断する水墨画
可翁から雪舟―画僧の時代
真形山水図―雪舟自立
組織絵画―狩野派の冒険
天下の画工―屏風と画体
天文法華の騒乱―禅林から法華へ
桃山世界史―意匠という様式
雪舟・永徳・等伯―三人の老梅
ロマンティシズム―対立と相互作用
ディマケーション―余白の発見
等伯画説―松林図の背景
トポスの意味―水暈が墨章する
メトリックの謎―気の振舞
山水タオイズム―逸民として
全景と文景―北の三遠・南の辺角
写山水訣―雲遊する画人
場面の山水―中国風から日本流へ
而今の山水―山水一如
和様の発想―無常と山水
明治の問題―日本画の誕生
遊弋する山水―山水的に日本

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