増補 折口信夫論
折口の跫音が聞こえる
第九回 三島由紀夫賞受賞作
「伝承」「官能」、多面的で独特の魅力を放つ折口の文章。その言葉、そのものに向き合った著者の代表的論考。三島賞受賞作。
【解説: 安藤礼二 】
つた、つた、つた という跫音とともにまれびとは松浦寿輝に近づいていく 大澤真幸
主著『死者の書』に代表される折口の幻惑的な世界。著者は「ふと折口みたいな文章が書けたらと夢見てしまう心の弱さを自分の中で力まかせに抑圧してしまうことをせず…折口の言葉そのものの中で折口から遠ざかろうと努める」(本書後記)という姿勢でその世界に挑む。それにより古典的な伝記研究とは一線を画し、折口作品そのものを読み解き、作品と密着した批評の言葉を発生させることで、他の折口論にはない本書固有の表現を勝ち得た。特異な言葉の魅力を具えた折口と、詩・映画評論でも才を発揮する芥川賞作家との深遠なる闘い。そこから評論を超えた言語空間が生まれる。第9回三島由紀夫賞受賞作。
1 音の訪
2 喪の裳
3 襲と褥
4 石と忌
5 擬と移
6 死の贄
補論 不在の殻―折口信夫の戦後
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