陶淵明伝
帰んなん いざ
官界を嫌い、野にあって酒を愛し、自由を謳った陶淵明。この稀代の詩人と正対し作品の味読を通してその文学世界と生涯に迫る。
【解説: 一海知義 】
官界をきらい、野にあって酒を愛し、自由を謳った陶淵明。伝説に彩られ、日本でもファンの多い大詩人だが、著者は「淵明のこころのゆたかさが、かえってにが手」と語り、また「矛盾を矛盾のままに表白しているのが、淵明の文学」と書く。野心に満ちた乱世、意に染まぬ仕官、挫折、帰郷。平坦ではない人生において、淵明は何を表現したのか。本書はこの稀代の詩人と正対し、主要作品の味読を通して、平静な言葉の裏にひしめきかげろう複雑で濃厚なものに眼を凝らし、その文学世界と生涯に迫る。「閑情の賦」「陶淵明詩の訓話」「燃焼と持続」の関連論考3篇を併録。
陶淵明伝
閑情の賦―陶淵明余事
陶淵明詩の訓詁
燃焼と持続―六朝詩と唐詩
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