熱学思想の史的展開2 ─熱とエントロピー
熱力学、カルノーに始まる
熱力学はカルノーの一篇の論文に始まり骨格が完成した。熱素説に立ちつつも、時代に半世紀も先行していた。理論のヒントは水車だったのか?
カルノー28歳、わずか1篇の論文『火の動力』で、熱力学の基礎を確立した。イギリスに誕生した蒸気機関は、フランスで効率改良の理論研究が進められ、彼は熱の生む動力の絶対的な制約を見いだす。だがその理論は巨視的自然の究極の真理に触れるラディカルなもので、技術者にも物理学者にも受け入れられることなく長く埋もれる運命となる。第2巻は、熱力学草創期。熱素説の形成と崩壊、そして熱力学第1法則、エネルギー原理の確立と進む。さらに議論は熱力学第2法則とエントロピー概念の形成へとのぼりつめていく。欧米にも類書のない広がりと深さに裏づけられた、迫力ある科学史。
第3部 熱量学と熱量保存則(熱量学の原理の提唱―ラプラスとラヴォアジェ
気体の熱膨張と温度概念批判―ラプラス、ゲイ=リュサック、ドルトン
断熱変化と気体比熱をめぐって―“比熱変化理論”と“比熱・潜熱理論”
解析的熱量学の完成―ラプラスとポアソン ほか)
第4部 熱の動力―カルノーとジュール(新しい問題の設定―熱の「動力」―カルノーとワット
理想的熱機関の理論―カルノーの定理
カルノー理論の構造と外延―熱力学の第1ページ
間奏曲―熱波動論の形成と限界―ヤング、ヒューエル、カルノー ほか)
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