増補 虚構の時代の果て

大澤 真幸

社会の断末魔の叫び

オウム事件は、社会の断末魔の叫びだった。衝撃的事件から時代の転換点を読み解き、現代社会と対峙する意欲的論考。
【解説: 見田宗介 】

増補 虚構の時代の果て
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,260円(税込)
  • Cコード:0136
  • 整理番号:オ-15-3
  • 刊行日: 2009/01/07
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:352
  • ISBN:978-4-480-09197-0
  • JANコード:9784480091970
大澤 真幸
大澤 真幸

オオサワ マサチ

一九五八年〜長野県生まれ。社会学者。理論社会学専攻。元京都大学教授。八八年、『行為の代数学』(青土社)で注目され、以後、現代社会および日本社会について活発な評論活動を行う。著書に『身体の比較社会学』I・II(勁草書房)、『戦後の思想空間』(ちくま新書)、『文明の内なる衝突』(NHKブックス)、『帝国的ナショナリズム』(青土社)、『ナショナリズムの由来』(講談社)、『不可能性の時代』(岩波新書)など。二〇一〇年、個人誌『O』も刊行。

この本の内容

オウム真理教事件は、当時の社会の断末魔の叫びだった。事件を起こした信者たちは、アニメ番組等の終末論から影響を受け超越的第三者(教祖)の審級に依存する世界観を肥大させ、そして彼らの事件がある時代を終わらせる。著者はその時代を「虚構の時代」と呼び、日本の戦後精神史上、終戦から万博までの「理想の時代」の次に来た時代、と位置づけた。時代の転換点を受け止めつつ、現代を克服する端緒を考察した意欲的論考。文庫化にあたり、オウム事件から始まる現代社会の文脈を解きほぐす論説を増補。

この本の目次

第1章 妄想の相互投射
第2章 理想の時代/虚構の時代
第3章 サリンという身体
第4章 終末という理想
第5章 虚構=現実
終章 ポアの思想を越えて
補論 オウム事件を反復すること

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