反オブジェクト ─建築を溶かし、砕く
反建築の可能性を拓く
自己中心的で威圧的な建築を批判したかった――思想史的な検討を通し、新たな可能性を探る。いま最も世界の注目を集める建築家の思考と実践!
自己中心的で威圧的な建築を批判したかった―。周囲の環境から乖離したオブジェクト的なる建築。それらは、建築史と思想史というパラレルな2つの潮流の中で繰り返し台頭する“オブジェクト中心主義”、つまり主体(サブジェクト)と客体(オブジェクト)の分裂と相克から誕生した。デカルト以降の思想史的パースペクティブから現代建築を捉えなおし、「消去する」「粒子へと砕く」などの試みを通して、新たなる可能性を拓く。世界中で進行中のプロジェクトで、いまもっとも注目を集める著者による、思索と宣誓の書。書下ろし自著解説付。
第1章 接続する事―日向邸
第2章 流出する事―水/ガラス
第3章 消去する事―亀老山
第4章 極少とする事―森舞台
第5章 線へほどく事―ベネチア・ビエンナーレ
第6章 転倒する事―劇場の反転
第7章 電子に置換する事―慰霊空間
第8章 粒子へ砕く事
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