新 物理の散歩道 第3集
アイロンも、しみ抜きも、
高熱水蒸気の威力、魚が銀色に輝くしくみ、コマが起ちあがる力学。身近かな現象にひそむ意外な「物の理」を探求するエッセイ。
【解説: 米沢富美子 】
熱したアイロンを布地に当てれば、熱さは裏側に伝わる。もし服地に霧を吹けば温度はより下がり、肩など丸みのある箇所も裏から手で直接支えられるのでは?ロゲルギスト少年のその推論は大きくはずれた。あやうく参事になりかねない出来事を通し、高熱水蒸気の威力をまさに肌で学習した「しみ抜きとアイロンかけ」。ほかに、魚が銀色に輝く仕組み、コマが首振りから起ちあがり直立する過程の力学、サーフィンの話題から消波・発電のアイデアなどなど。実験をまじえながら常識的な予想を小気味よく履していく。楽しみながら議論が深まっていく科学エッセイ。
眼の中にただようゴミ
大根おろし
松を伐る
しみ抜きとアイロンかけ
水面に立つ奇妙な波
波のりの力学
魚はなぜ銀色か
モーターはなぜまわる
結晶の形はどうしてきまるか
二重生活
コマはなぜ起き上がる
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