徘徊老人の夏
行ったきり、も悪くない。
行ったきり、も悪くない。むかし住んだ街やひなびた温泉街の路地の奥には、現実と虚構の錯綜した種村ワールドが待っている。
【解説: 石田千 】
「また出てきたんだよ、じいさんが」…このひとはふだんは老人養護施設におとなしく入居しているが、発作的にベッドを脱走して横浜の場外馬券売り場で有金をはたく。勝てば野毛の飲食街でえんえんと飲み続ける。すっからかんになったところで箱根のK・Hさん宅に転げ込む。(「徘徊老人の夏」より)ありふれた日常から別世界へと誘う、諧謔と機知にあふれたエッセイの数々。
徘徊老人の夏(浮世風呂世間話
徘徊老人の夏
コイン空間ベイビーズ
私の貧乏物語 ほか)
途中下車旅行(別府ラーメン
野次馬道中記
地酒
風倉匠 ほか)
徘徊老人その後
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