日本で最初に
文豪と呼ばれた作家たち、
それぞれの「夢十夜」
近代文学の曙、文豪たちは怪談に惹かれた。夏目漱石「夢十夜」はじめ、正岡子規、小泉八雲、水野葉舟らが文学の極北を求めて描いた傑作短篇を集める。
夏目 漱石
ナツメ ソウセキ
1867年(慶応3年)、江戸・牛込馬場下横町(現・新宿区喜久井町)に生まれる。本名金之助。1893年(明治26年)、東京帝国大学英文科卒業。1900年(明治33年)、文部省留学生としてイギリスに留学(1903年1月、帰国)。1905年(明治38年)、「吾輩は猫である」第1回(『ホトトギス』誌上に10回連載)を発表。その後『坊っちゃん』『三四郎』他数々の名作を発表し、国民的大作家となる。1916年(大正5年)12月9日、胃潰瘍で死亡。
佐々木 喜善
ササキ キゼン
1886年、岩手県に生まれ、 1933年没。医学校に入るが、2年で辞し、上京。哲学館(現、東洋大学)に入学し、のち早大文科に学ぶ。文学を志すが、柳田国男と出会い民俗学に転じ、生涯昔話の発掘に専心する。
明治・大正・昭和の文豪怪談に顕著な「夢と幽霊」を描く珠玉の掌篇/小品を全三巻に集成するアンソロジーの第一巻。文豪怪談の黎明を告げる両巨人の幻夢譚―小泉八雲の「きまぐれ草」、夏目漱石の「夢十夜」を中心に、圓朝や子規から水野葉舟、佐々木喜善まで、合理主義の風潮に反旗をひるがえした文士たちの軌跡をたどる。巻末に坪内逍遙自筆の妖怪絵巻「神変大菩薩伝」を装画付きで復刻。
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