つむじ風食堂の夜
それは、笑いのこぼれる夜。――食堂は、十字路の角にぽつんとひとつ灯をともしていた。クラフト・エヴィング商會の物語作家による書き下ろし小説。
- シリーズ:単行本
- 1,575円(税込)
- Cコード:0093
- 整理番号:
- 刊行日:
2002/12/10
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:四六判
- ページ数:160
- ISBN:4-480-80369-6
- JANコード:9784480803696
- 在庫 ×
食堂は、十字路の角にぽつんとひとつ灯をともしていた。私がこの町に越してきてからずっとそのようにしてあり、今もそのようにしてある。十字路には、東西南北あちらこちらから風が吹きつのるので、いつでも、つむじ風がひとつ、くるりと廻っていた。くるりと廻って、都会の隅に吹きだまる砂粒を舞い上げ、そいつをまた、鋭くはじき返すようにして食堂の暖簾がはためいていた。暖簾に名はない。舞台は懐かしい町「月舟町」。クラフト・エヴィング商会の物語作家による書き下ろし小説。
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