片想い百人一首
「月光は十九の胸にさし入りぬ我が身ひとつの秋にはあらねど」百人一首が盛んな津和野に生れ育った著者が、思いの丈をこめて作った、安野版百人一首+エッセイ。
- シリーズ:単行本
- 1,890円(税込)
- Cコード:0095
- 整理番号:
- 刊行日:
2000/12/14
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:四六判
- ページ数:240
- ISBN:4-480-81431-0
- JANコード:9784480814319
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「月光は十九の胸にさし入りぬわが身ひとつの秋にはあらねど」百人一首が盛んな津和野に生れ育った著者が、思いの丈をこめて作った、安野版百人一首+エッセイ。
歌かなし終戦の夜は歩哨にてわがころもでは露にぬれつつ
小春日に乙女の色のひるがへりころもほすてふ天のかぐ山
旅の宿窓うつ氷雨行く秋のながながし夜をひとりかも寝む
伏流の神酒たてまつる大観の富士の高嶺に雪は降りつつ
村祭りはじめて紅をさす子らの声聞く時ぞ秋はかなしき
うた響くアルバイシンの家並みの白きをみれば夜ぞふけにける
シエナではワインの色に酔ひたまふ三笠の山にいでし月かも
わが庵は姥捨山の麓にて世をうじ山とひとはいふなり
黒髪の色あせぬ間と思ひしにわが身世にふるながめせしまに
たとふればイスタンブールの人混みは知るも知らぬも逢坂の関〔ほか〕
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