連邦刑務所から生還した男
アウトロー・ノンフィクションの傑作
ハワイを訪れた親分を待っていたのはFBIの壮大な囮捜査。逮捕、司法取引、収監。連邦刑務所の自由と恐怖の現実。実際に起こった事件を追ったノンフィクション。
旅行記のような獄中生活 蜷川正大
オトリ捜査や司法取引はアメリカでは日常のこと。捜査官が扮した売人に麻薬売買を持ちかけられ、断ろうとしているとショットガンを持ったFBIがやってきて現行犯逮捕、それが本書の主人公吉村氏。現役の親分である。すべてFBIが筋書を作ったものだった。終身刑も予測されるなか、吉村氏は司法取引に応じて有期刑が確定する。以後10年に及ぶ獄中生活が始まる。そこは、多様な民族・人種がそろい、マフィアのボスが束ねる暗黒街の縮図。目の前で起こる殺人や賄賂の横行。しかし日本では考えられないような自由な空間でもある。外部との通信や面会もほとんど自由。吉村氏は天性の明るさで所内の人気者になっていく…。アメリカ流に負けず、明るく獄中を生き抜く方法。アウトロー・ノンフィクションの傑作。
序章 FBI囮捜査の罠
第1章 司法取引という決断
第2章 連邦最重刑務所の衝撃
第3章 コロラド・プリズンは獄楽
第4章 ミズーリ・プリズンで見た病理
終章 十一年目の帰国
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